
映画解説「REC/レック」監督が臨場感やリアルさを追求するためにしたこと4選(ネタバレ無し)

スペイン映画「REC/レック」をネタバレ無しで解説します。
本作はPOV形式のゾンビ映画です。
もうそれだけでも臨場感や迫力があり、ドキドキハラハラします。
しかし、監督のこだわりはそれだけではありません。
本記事では、作品情報やあらすじに加えて、監督が臨場感やリアルさを追求するためにしたことを4点紹介します。
- 映画が初見のかたは【見どころ】がつかめます
- 既に観たことがあるかたは【見方】が深まります

目次
作品情報
ジャンル | ホラー/POV |
製作年・上映時間 | 2007年・85分 |
監督 | ジャウマ・バラゲロ パコ・プラサ |
主なキャスト (カッコ内は役名) | マヌエラ・ベラスコ (アンヘラ) パブロ・ロッソ (パブロ) |
あらすじ
テレビ番組「眠らない街」の取材班である番組リポーターのアンヘラとカメラマンのパブロ。
消防士をテーマに消防署において取材を行う中、救急の要請が入る。
出動する消防士たちに同行し、とあるアパートへと入っていく。
奇声を発する老婆に、アパート内の他の住民は困惑気味。
異様な雰囲気を感じつつ、消防士と共に老婆の部屋へと入っていくのだが…。
(ネタバレを含む詳しいあらすじはMIHOシネマをご覧ください)
監督が臨場感やリアルさを追求するためにしたこと4選
監督は制作するに当たって、臨場感やリアルさをとことん追求しました。
観客に、現実に起きた出来事のように感じてもらいたいため、POV形式で作品は作られています。
しかし、追求はそれだけではありません。
監督のこだわりを4点紹介します。

●番組リポーターやカメラマンには、本物を起用
本編は、テレビ番組の取材映像から始まります。
進行のアンヘラ役はマヌエラ・ベラスコさん。
この方は本物のリポーターです。
テレビ番組のカメラが事態を映すという形式を追求するために、実際のリポーターを対象にオーディションが行われました。
リポーターとしての仕事をするだけでなく、臨機応変に状況に応じた演技力も求められます。
マヌエラ・ベラスコさんの演技力は本編を観れば一目瞭然でしょう。

さらに、カメラマンのパブロも実際に映画撮影をされているかたです。

本人インタビューによると、本作において、「パブロ」として演じながら撮影することが難しかったそうです。
番組カメラマンとして、アンヘラを画面に収めながら状況を映すことを心がけるのに苦労されたそうです。
●序盤の消防署シーンもリアルさを追求
序盤の消防署シーンでも、本物の消防士たちが登場。
取材時のやり取りは脚本なしで行っています。
そのため、取材の雰囲気が自然な感じです。
●役者にストーリーの大筋を示さなかった
さらにリアルさを追求するため、出演する役者にはストーリーの全貌を明かさず、シーンごとに流れや動きの確認をして撮影が行われました。
役者はその時にならないと何が起こるのか分からないため、まさに状況に応じた体当たりの演技です。
さらに、本編中盤で登場する、窓から見えるたくさんの野次馬や警察の存在も役者には知らされていませんでした。

●ラストシーンは本当に暗くした
ラストシーンのメデイロスとの場面。
真っ暗闇で暗視装置のカメラでないと周りが見えません。
カメラマン以外は本当に暗闇の中で撮影しているため、まさに手探り状態です。

まとめ:キャストの体当たりの演技が見どころ!
上記に紹介したように、監督のこだわりや熱意をもとに、キャストの方々も白熱の演技をしています。
あえて先のストーリーを示さず、臨機応変な対応を迫った演技・演出により、臨場感やリアルさを監督は追求しました。

ハリウッド版リメイクから入るのもおすすめ
ハリウッドで本作はリメイクされました。
言語が英語であること以外は、ほとんど忠実に再現されています。
英語の方がなじみやすいんだという人には、このリメイク版から見てもいいかもしれません。